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風をよんで、デカい帆をはれ!

考え続けて脳のシワを増やしていきたい。ニュース考察、仕事、音楽、読書、何でもゴチャ混ぜブログ。

Disk Review : Still Casual / Walter Smith III

Disk Review Jazz Walter Smith III

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Walter Smith III : Tenor Saxophone
Taylor Eigsti : Piano
Matthew Stevens : Guitar
Harish Raghavan : Bass
Kendrick Scott : Drums
Ambrose Akinmusire : Trumpet on #3,7,9

  1. Foretold You
  2. Kaleidoscope
  3. Something New
  4. Apollo
  5. Greene
  6. Processional
  7. Fing Fast
  8. July
  9. About 360
  10. Goodnight Now

ウォルター・スミスのリーダー作で聴くのは初めてです。("Voyager : Live by Night / Eric Harland"では聴いたことがあります。)

この人はジョシュア・レッドマンやシェーマス・ブレイクと比較すると、私にはいまいちテンションの頂点が分かりにくいです。電車の中とかでかるーく聴き流しているとパッとしない感じがしてしまいます。しかし、それは聴き流しているほうが悪いのであって、ウォルター・スミスが悪いわけでは決してありません。しっかり聴きこんでみれば、流暢で巧みなプレイが縦横無尽に飛び回っているのが分かります。クールなのです。バカの一つ覚えみたいにキーキー吠えたりしません。(注:ジョシュアやシェーマスをバカ呼ばわりしているわけでは決してありませんよ 笑)

しかし、5曲目の"Greene"は、そのクールで知的な彼がとても感情剥き出しにしてプレイしています。これは銃乱射事件で愛娘を亡くしてしまったというJimmy Greene父娘に捧げられたレクイエムのようです。私の稚拙な言葉でこの曲を語ることはできませんが、心を抉られるような悲しみが感じられ、心に突き刺さります。

このアルバムは全体的にキメが多く、どれもが非常に複雑なアレンジで、プレイもアグレッシブではありますが、パワープレイにはなっていません。ハートはアツいに違いないことは想像に難くありませんが、頭はクールな状態をキープしているのだと思います。絶妙なバランスで聴き心地が良いです。演奏時間も最長で”Greene”の8分と聴きやすく、リスナーのことをしっかり考えてレコーディングされているのが分かります。今日も気がつくと最終トラック"Goodnight Now"が聴こえてきます―ウォルター・スミスの優しい音色が温かい余韻に心を委ねましょう。

Still Casual

Still Casual

Disk Review : We Make The Rules / Jochen Rueckert

Disk Review Jazz Jochen Rueckert

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Jochen Rueckert : Drums
Mark Turner : Tenor Saxophone
Lage Lund : Guitar
Matt Penman : Wood Bass

  1. Eggshells
  2. Pretty From Afar
  3. Saul Goodman
  4. We Make The Rules
  5. Bess
  6. Thre Clock Strait
  7. Alloplasty
  8. Yellow Bottoms
  9. Manong Twilight At The Whatever Hotel

最初に白状しておきますと、マーク・ターナーは殆ど聴いたことがありません。我が家にあるアルバムのうち彼が参加しているのは"Hearts Wide Open / Gilad Hekselman"くらいです。数年前に東京Jazzでヘクセルマンのバンドを生で聴きましたが、それでもピンと来なかった記憶があります。リーダーのヨッケン・リュッカートも初めてでしたが、それでも、このアルバムは試聴機で一聴して買うことが即決されたわけです。

さてさて自宅でゆっくり耳を傾けてみますと、4人が4人も素晴らしいプレイをしていると思います。とても慎重にお互いの音を聴きあって濃密なインタープレイを繰り広げています。誰かが飛び切りのソロを繰り広げているわけではありません。曲調は最近主流の変拍子ジャズで目新しいわけでもありませんし、分かりやすいソリストの盛り上がりもありません。取っ付きやすさは微塵もないかもしれないと言えるでしょう。しかし、バンド内の深く深くで内省するようなこのサウンドにマーク・ターナーのダークなプレイは似合って聴こえます。

最後に自分のレビューを読み返してみますと、とても内省的で難しいプレイのように書いていますが、不思議と聴き疲れはありません。むしろ何度も繰り返し聴いてしまう。リュッカートの前作は、ルンドが代わったこと以外は同メンバーらしいので、そちらも是非聴いてみたいと思います。

We Make the Rules

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